中華暦(からごよみ)

     「中華(からごよみ)」は古代から現代までの中国の暦日情報を提供するWEBサービスです。

     「中華(からごよみ)」は歴代天文律暦等志に載る計算方式により朔日を求め『二十史朔閏表』等の資料で校正を加えています。
     対応年は戦国時代・秦のBC366年より西暦2100年までを対象としています。

    1.使用した暦法と適用年代

    「中華(からごよみ)」前半は各年代につき以下の暦で計算しています。どの暦にもとづいているかは月暦表示の表題に表示されます。 各年代と使用暦との関係は以下の表の通りです。南北分かれた時代については『二十史朔閏表』にしたがい何れかの暦法を使用しています。また唐末から宋代で暦法の詳細が不明な年代は前後の暦法を使用し『二十史朔閏表』で校正しています。

      対象年 暦法 暦法参考文献 暦日校正文献
      -365 ~ -104 顓頊暦 『顓頊日暦表』 -
      -103 ~ 84 太初暦 『歴代天文律暦等志彙編』 『二十史朔閏表』
      85 ~ 236 四分暦
      237 ~ 444 景初暦
      445 ~ 509 元嘉暦
      510 ~ 589 大明暦
      590 ~ 596 開皇暦
      597 ~ 618 大業暦
      619 ~ 644 戌寅暦(定朔) 各種墓誌/文献
      645 ~ 665 戌寅暦(常朔)
      666 ~ 728 儀鳳暦
      729 ~ 762 大衍暦
      763 ~ 783 五紀暦
      784 ~ 806 正元暦
      807 ~ 892 宣明暦
      893 ~ 955 崇玄暦  『二十史朔閏表』
      956 ~ 981 欽天暦
      982 ~ 1001 乾元暦
      1002 ~ 1023 欽天暦
      1024 ~ 1074 崇天暦
      1075 ~ 1135 観天暦
      1136 ~ 1168 統元暦
      1169 ~ 1176 乾道暦
      1177 ~ 1190 淳熙暦
      1191 ~ 1198 会元暦
      1199 ~ 1207 統天暦
      1208 ~ 1270 開禧暦
      1271 ~ 1281 成天暦
      1282 ~ 1384 授時暦
      1385 ~ 1669 大統暦
      1670 ~ 1911 時憲暦 和暦WEB天保暦と同等
      1912 ~ 2100 『中華五千年長暦』

     計算方法は各暦法の計算方法によりますが、顓頊暦については朱桂昌編著「顓頊日暦表」によります。また時憲暦の中気/節気及び定朔については現代の計算方法によっています。太陽については「Astronomical Algorithms」に載るVSOPに拠る方法、月については「Lunar Tables and Progrms from 4000BC to AD8000」に載るELP2000-85に拠る方法にて計算しています。
     なおΔTについては以下によります。
     2010年までのΔTは「The Astronomical Almanac 2008」によります。
     2010年以降ののΔTは50秒/100年、0.5秒/年の直線増加で計算しています。

    2.実施された暦との違い
     古来暦は計算された結果に対していろいろな理由で朔日の日付をずらすことが行なわれています。中華(からごよみ)では上記表にある暦日校正にしたがいこれを修正しています。変更の理由は以下の理由に分けて「月暦」で確認できるようにしました。
      1. 実施暦による変更(史料により確認できるもの)
      2. 節気の日付を変更(閏月変更の為。通常は朔日を変更する。)
      3. 『二十史朔閏表』による変更
      4. 置閏による月名変更(時憲暦のみ)
     
     ・年初について
      例えば顓頊暦の時代はBC306からBC105年まで年初が10月となっていますが、中華暦では
      プログラムの都合で年代を通して3ヶ月先の1月始まりとしています。
     
    3.校正時に気づいた点
     1)元:『二十史朔閏表』は大統暦で計算されているようです。「中華(からごよみ)」では授時暦
         で計算し『二十史朔閏表』で校正した。従い違う点は大統暦と授時暦の違いが多い。
     2)清:「中華(からごよみ)」は暦の計算経度を清代(1911年まで)北京、1912年以降を120度として
          計算していますが、『二十史朔閏表』では当初より120度で計算しているようです。
          従い違う点は経度の違いによる点が多い。
     3)現代:『中華五千年長暦』との違いは2089年8月のみ。ΔTによるので修正はしていない。

    3.2033年の閏月について
     時憲暦では定気での置閏につき以下の規定があり11月が閏月に決まります。
     ①冬至を含む月を11月とする。
     ②次の冬至まで13月ある場合、中気を含まない最初の月を閏月とする。

    4. 西暦の表示

     「中華(からごよみ)」では1582年10月4日までユリウス暦、翌日の10月15日以降をグレゴリオ暦により表示します。したがい1582年10月4日の翌日は10月15日となります。
    「中華(からごよみ)」の「月暦」では表題にどちらの暦かを表示しています。但し、1582年(天正 10年)はユリウス暦と表示されますが、実際には10月15日以降はグレコリオ暦となっています。
     また、,紀元前の年号については以下の方式でマイナス表示しています。
     紀元1年(AD1年)    :   1年
     紀元前1年(BC1年)   :   0年
     紀元前2年(BC2年)   :   -1年
     紀元前100年(BC100年) :  -99年

    5. 入力方法

     メニュー方式により1)元号年代順、2)年代直接入力が選べます。元号で入力の場合年数のチェックはしていませんので結果として先の元号の年代へ移っている場合があります。

    6. 著作権並びに注意事項等

     「中華(からごよみ)」にて提供される情報、その他のデータ類の著作権は「中華(からごよみ)」またはその引用元著作権者に帰属します。また、そのすべてについて「私的使用のための複製」や「引用」など著作権法上認められた場合を除き転載はお断りします。
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    7. 参考文献(唐代を除く)

     1) 陳垣『二十史朔閏表』(1925)
     2) 朱桂昌編著「顓頊日暦表」(2012)
     3) 中華書局編輯部編「歴代天文律暦等志彙編」(1975)
     4)《中華五千年長暦》編写組編『中華五千年長暦』(2002)
     5) 王雙懷 主編『中華日暦通典(1-4)』(2006)
     6) 内田正男「日本暦日原典」(1992)
      以下時憲暦の計算に使用
     7) Michelle & Jean Chapront「Lunar Tables and Progrms from 4000BC to AD8000」
     8) Jean Meeus「Astronomical Algorithms」


       (1)2015年05月09日 WEB公開(v.20150509)
       (2)2015年08月07日 WEB公開第2版(v.20150807)
         1)「戌寅暦」(619~665)及び「麟徳暦」(666~728)において「雨水」と「啓蟄」の節気
          の順番を変更。
         2)聖暦2年11月(699年、正確には聖暦3年正月)の干支を「48辛亥」から「47壬子」へ変更。
       (3)2016年03月03日 WEB公開第3版(v.20160303)
         1)隋 開皇の年表示を訂正(AD590 開皇1年開始を開皇10年開始に訂正)
         2)前漢 文帝と景帝の中元、後元に皇帝名を追加。
       (4)2016年04月14日 WEB公開第4版(v.20160414)
         1)元/明 授時暦及び大統暦の日暦に入る西暦の日付が1日ずれていたのを修正。