春秋暦(魯国暦) 置閏比較



 太陽暦の1年の日数は約365.25日、太陰暦の場合1月が平均約29.53日、1太陰年は12ヶ月で29.53x12=354.36日となる。従って一太陽年当り365.25-354.36=10.89日の差が出る。これは約3太陰年で約1月の差となるため、約3年に1回閏月を入れて季節がずれないように調整する。後代(中国・戦国時代)にはもう少し正確な19年に7閏月を入れる19年7閏法が用いられた。

 春秋暦(魯国暦) 置閏検討 (by 現代定朔/閏(年末)計算との比較)の表を基に閏月を置いた時点での太陽暦との季節の差を表したのが以下のグラフである。赤色が現代暦計算(現代の天体位置計算に基づいた古代の19年7閏法)、青色が春秋暦(魯国暦)置閏の結果である。春秋暦では-655年前後に必要な閏月を1回抜いているためそれ以降約1月の差が出ている。これにより、以前は冬至を12月に置いていたものが、年初の1月に置くこととなっている。(現代の計算でも同様に閏月を抜いた。)

このグラフから19年7閏法では季節のずれが約1/3ヶ月の範囲に入っているが、春秋暦では約1月の範囲で動いていることが分かる。またこのグラフから周期(相似)的な区間は無く春秋暦の置閏はまだ精密なルールができていなかったようである。


春秋暦(魯国暦) 置閏比較




2016/08/22 Up
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